今の会社に入って、(私にしては)かなりの年数が過ぎた。入社から今までは、ちょうど会社の成長期と安定期に当てはまる。
そして、成長期当時一緒に働いた人たちが、ひとりひとりと次の道へと進んでいく。先日も、近しい関係の人の進退を耳にし、「いよいよか」という気持ちになった。
「寂しさ」はもちろん少しはあるのだけれど、もう、「そうだろうな」としか思えないくらいに、いろいろなものが変化をしすぎてしまった。こんなに長く一つの会社にいるのははじめてで、そして幸いなことに広いポジションで多くの人や仕事と関わる機会をいただけた為、その変化は比較的見えやすかったのだろう。
私は、何度か働く場所が変わった、変えたことで、今もまだ働き続けているけれど、いつ、これが終わりを迎えるのか、正直よくわからない。いつもその可能性はそばにあって、だけれど「仕事や会社を変える」ということ自体が、次第にあまり意味をなさなくなってきてもいて、うっかり定年まで働き続けるかもしれないとも思う。
話を戻し、その同僚の、友人の進退の話を聞いているとき、そのプロセスにおいて、人は多くのものを経験するのだなあ、と感じた。努力、希望、口惜しさ、自分への憤り、悲しさ、諦め、不安・・・。今の自分や状況に直面せざるをえないとき、どう反応するか、はその人が現れる。どういった選択をとったとしても、真摯に向き合う限り、そのプロセスはとても尊いものだなあ、と思った。
その先に、明るいものが私には見えるけれど、口に出すのはやめておいた。今はそういうときじゃない。ただ、「これからもよろしく」と、友人としてまた一緒に過ごそう、という話になった。この年で、職場で友人になりうる人と出会えたことは稀だと思うが、そういった人が何人かいることが、この会社に入ったことで一番良かった点だと思っている。
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