『ウィルスは悪者か』

日々是好日(dairy)


『ウィルスは悪者か』(髙田礼人)を読んだ。








最近は本を借りて読むようにしているのだけれど、図書サービスも休止しており、早く読みたっかった為、購入に至った。

早く読みたかった理由は、昨今の時勢の中で、「ウィルスは敵」的な文脈の発言に対して、そのように伝える必要性については一定理解できるものの、「それがまさしくそうなのか」という視点においては違和感が生じていたからだ。

こちらの本は、2018年が初版である。
ウィルスにまつわる諸要素を一般人にも分かりやすく説明がされており、また、著者の北海道大学博士課程から今までの研究に関する道のりも併せて紹介がされている。

進学の際、一瞬『動物のお医者さん』に憧れて、北大の獣医学部を目指そうかと思った身としては、シンプルに「素敵だな」と思える要素も多かった。(とはいえ実際はとっても大変そうなのだけれど・・・)

一般の人に分かりやすい説明がされているとはいっても、私の高校生物の知識を総動員して、やっと外観が分かるくらいであり、細かなところについては、大体の理解で読み飛ばしてしまっている部分がある。
そこがちょっと悔しくて、きちんと理解ができたらいいのだけれど…。

ウィルスの生態(という言い方でいいのか?性質)について特に、「選択圧」という事象がより具体的にイメージできたのはよかった。
あと最近よく耳にする対策としての「免疫力を上げましょう」について、それはもちろんある部分においては効果があるのだけれども、一方で人間の免疫が、ウィルスに進化をもたらす可能性もあるのだということ。
「自然宿主」という概念。
宿主が死に至ってしまうとウィルス自身も死滅してしまうのに、
そうなってしまうメカニズム。そうならない可能性。

少し話が逸れるけれども、先日ふと飛んでいる鳥が目に入り、「この鳥たちは国境などなく、世界中に行けるんだなあ」などとぼんやり思っていたのだけれど、ウィルスも鳥類由来のものがあり、それはこの「どこにでもいく」という境界の無さも影響をしているんだということを思ったり(であれば、止めることなど難しいよね)。

さて肝心の「ウィルスは悪者か」という問題について。
理想論を脇におき、目下するべきことと受け入れること、世界の在りようを考えながら、自分の中では一定の答えがでた感じ。

オススメです。





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