令和はじまる

日々是好日(dairy)


平成の最後の日も、令和の最初の日も、仕事だった。日常の中の改元。

そんな令和初日の朝、身支度をしていると、「ジー」と微かな音がする。何だろうと思い、音の出所を探してみると、携帯が鳴っていた。母からだった。

取ると、「寝ていると思っていたけどね。1週間風邪で寝込んでいて、そのときから、治ったら散歩にでかけて、令和で一番最初にあなたに電話をしようと思っていたから」と。どうも、散歩から戻ってきたところで、電話をかけてきたらしい。

私が電話嫌いなのを知っていて、具体的な要件がない限りは電話をしてこない母である。記念日の贈り物のお礼くらいだから、数か月に1回か。
なんて答えたらいいんだろう。胸の奥が苦しくなる。どんな思いがあるんだろう。心配させたくないから、一週間寝込んでいたことも、風邪だと嘘をついているのかもしれない。気づいたほうがいいのだろうか。気づかないふりをしたほうがいいのだろうか。私の考えすぎかもしれない。本当にただの風邪かもしれない。

母の実際の気持ちは分からないけれど、親の愛は有難いものだと、令和元旦、思ったのだった。

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