岸田繁さん 交響曲第2番 初演公演

日々是好日(dairy)

今日は、くるりの岸田繁さん作曲、交響曲第2番
初演公演に行ってきました。

シンフォニーNo2 @12/2 京都コンサートホール

恥ずかしい話ですが、それまで岸田さんのことはおろか
「くるり」も、「なんか名前は聞いたことがある」レベルで。

「バンドをする人が交響曲?」
と不思議に思い、調べてみると、
どうもわたしと同年代で、
立命館大学の時代にバンド活動を開始されたとあったので、
あの当時に、近い場所にいたのか、と思う。

同年代の人が、20年近く経って、
バンド活動をしていた人が、しかもたぶん有名で、
なのに交響曲って畑違いな感じがするけれど、
(というか、書けるんだ!という)
いったい、どんな道を歩んでこられたのだろう。

そんな興味があり、
せっかく京都で初演をされるとのことだったので、
行ってきた。

第1部は、岸田さん作曲の2曲と、岸田さんセレクトのフォークロア系音楽。

1.岸田繁 弦楽五重奏のための古風な舞曲『あなたとの旅』(管弦楽版)
2.バルトーク ルーマニアンフォークダンス
3.ショスタコーヴィッチ(バルシャイ編) 室内交響曲Op.38a 第1楽章
4.ヴィラ・ロボス ブラジル風バッハ第4番 第2曲
5.岸田繁 オーケストラのための序曲「心の中のウィーン」

岸田さん作曲の2曲は、予想に反して
正統派クラッシックの系統のように聞こえ、
奇をてらっていなくて、とてもよかった。
美しい旋律で、心地よい響き。

そして、セレクトされていた3曲はどれもはじめて聴いたのだけれど、
特にバルトークは、のだめカンタービレで名前は知っていたけれど、
とてもよかったし、
ヴィラ・ロボスに至っては、名前も知らなかったけれど、
すっごくよくて、胸がきゅっとなって、涙が出てきた。

民族音楽の系譜は基本的に好きなので、
ラッキーでした。

岸田さんは、最初や折々で舞台に出てこられ、
指揮者の広上さんと、会話を繰り広げて、
緊張されている中でのやりとりも、とても面白かった。

そして今回、なにより注目してしまったのは、
マエストロ 広上淳一さんの、その偉大さ、存在の大きさ。

たぶん、以前にも一度聴いたことがあって、
そのときは、「踊る指揮者が!?」と驚いたような気がするけれど、
今回も、飛び跳ねるような、たゆたうような、その動き、
そして、とても力強く、大きく、音を、オーケストラ全体を
ホールドしていく、その圧倒的ななんというか、後ろ姿のそれに、
目を話すことができなかった。

高校生の頃からクラッシックは好きだったけれど、
指揮や指揮者に注目することはほとんどなく、
憧れていたのは演奏のほう。

だけれども、次第に指揮者の存在の意義であったり、
存在の大きさ、すごさというのが、少しわかってきたのかもしれない。

そして、コンサートマスターの人も、
注目せずにはいられない雰囲気があり、
この方たちを見ながら、胸に湧き上がってきたのは
音楽が、生きることそのものなのだろうなあ、ということ。

できることならば、
わたしもいつかの生で、送ってみたい。
明日になったら、もう、意識の外に行ってしまうと思うけれど、
こういう人たちの姿を見てしまうと、ああ、いいな、と思う。

久しぶりに聞いたクラッシックは、やっぱり良くて、
ウィーンや東欧やヨーロッパのように(イメージ)、
街に音楽が溢れればいいのに、などとも。

交響曲第2番は、4楽章構成。

細かなことはわからなかったけれど、第4楽章の最後の部分は、
いかにも交響曲らしく、という終わり方でよかった。
映画音楽も作っておられるようだけれど、
そちらで活躍されている様子が目に浮かんできた。

アンコールは、「くるり」の「宿はなし」という曲。
とても美しい旋律で、心がきゅっとなる。
「絶対いい曲や」と思い、調べてみたら、やっぱりいい曲だ。染み入る。
パンフレットの岸田さんのコメントに、「どんなときも、作るときはソウルミュージックでありたい」という言葉があり、そうだな、と思う。

会場は、若い人も多く、そういう意味でも、
素晴らしく偉大な仕事だな、と思う。

本当は、この後にボヘミアン・ラプソディを
見に行こうとおもっていたのだけれど、
さすがに、いろいろといっぱいになったので、次の機会へ。

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