色をいただく

お気に入り(my best)


昨日、初めての染め物体験をしてきた。
(アルスシムラさんのワークショップ)

志村宏さんから、色に茜にまつわるお話を聞きながら、さっそく染めてみる。配られた絹のストールを、日本茜を煮出した液につけていく。

日本茜は、熱と相性がいいらしい。高温の抽出液で、色が定着していく。だけれど、最初から高温だと糸が痛んでいくので、一回目は低温で。そして二回目は、ぐつぐつと沸き立つ抽出液の中に。分厚いグローブをしていても、手が熱い。

一回毎に外にでて乾かすのだけれど、これがまた気持ちがいい。布を開いて、両腕に乗せて、ぱたぱたぱた。空気も色を定着させる一つの要因らしい。

志村さんから、「色の定着」についてのお話があった。一つは熱、一つは空気、そしてもう一つは鉱物。

一回目、二回目と、色が少しずつ変わっていく。布を拡げるたびに新しい色に出会う。二回目になると、「赤がうっすらでてきたね」というような言葉が周囲から出てきはじめたのだけれど、私にはさっぱり分からなかった。どうみても黄色に見える。

このワークショップのことは、以前、Peatixのサイトで偶然見つけたのだけれど、そのときは染めたい色の回ではなかったので、見送っていた。「赤が来ないかな~」と思った先にやってきたのが、今回の案内。

赤と言えば、茜と蘇芳。私が染めたかった植物は茜だったのだけれど、調べてみると、欲しいイメージの色は蘇芳だった。案内には、「茜か蘇芳」となっていたので、どちらになってもいいかな、と思っていたら、やってきたのは茜。しかも日本茜。とても柔らかな色合い。

2回抽出液につけた後は、媒染と呼ばれる作業に入るけれど、これが3つ目の色の定着の仕掛け。大地の力。

ボールに水を入れて、媒染液を入れる。私は赤くしてみたかったので、少し多めに入れてみた。そして布を入れて、さらさらさらと布を動かすと、色が一気に変わってくる。赤だ!

しばらくして布を絞り、開いてから風を纏わせると、一気に赤が広がる。絹糸に薄っすらと広がる、透き通るような赤色。空と赤。なんときれいなんだろう。

そこで終わってもよかったのだけれど、「戻し」という作業をすることもできるらしい。志村さんがお手本がてらやってくださったのだけれど、もう一度茜の抽出液につけ、色を戻すのだ。なんと、オレンジになっているではないか。

ちょっと迷ったけれど、たぶんどんな色でも気にいると思ったので、やってみることにした。もう、ほんの少しだけ。さっとくぐらすだけ。ドキドキする。

布を開いてみると、やや黄みが戻り、薄いオレンジに似た色になっていた。さあ、完成。風にはためかす。

薄い絹だからか、しばらくすると乾いてきた。それを室内で更に乾かしながら、志村さんから様々な色を見せてもらったり、端切れを見せていただく。なんと、自然界に満ち溢れている「緑」は、特に濃い緑は染料として採れないそうで、藍と黄色を掛け合わせるらしい。なんとも不思議。








黄色から、赤から、オレンジへ。出来上がったストールは、春使用の布地なので、スカーフのような感じて首元に巻く。

どうも、自宅でもできるそうで、面白そうだな。やってみようかな。ちょっと邪道だけれど、ガスコンロでぐつぐつ煮てもいいのだろうか。何か特別なこと、というよりも、身近でささっとできるのがいい。ハンカチなんかだと手軽かもしれない。

久しぶりの嵯峨野は、GWで人も多かったけれど、駅から少し離れるとのどかさが広がる。久しぶりに落柿舎の前まで行ってきたり、初めての嵯峨釈迦堂では参拝をしてきた。かなり重厚な造りで、驚いてしまった。












今日はさっそく、染めたストールを首に巻いて、出かけている。





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