先週、がんの詳細を知るための検査結果を聞きにいき、早期ではあるものの、がんのタイプが一番質の悪いものではないが、よいものでもない、というお話だった。
おそらく、まずは手術をして、その後ホルモン療法と抗がん剤治療をすることになるだろうと。
死亡率を聞いたところ、20%弱とのことだった。5人に一人。2,3年は大丈夫だろうとのことだったけれど。
次のCTの検査と転院のことを話して終わったのだけれど、頭もあまり働かないくらいショックを受けていた。
帰りの電車の中でも涙が止まらず、翌日は仕事だったのだけれど、朝までほぼ一睡もできなかった。食欲ももちろんない。
そこにあったのは怖さだった。治療への恐怖ではない。死ぬことへの恐怖だった。人はみな、全員死ぬのに、頭ではわかっているのに、死を避けたい気持ちが自分に中にあることが分かった。生きたいという強い思いは、そのときのわたしにはあまり感じられなかった。ただ死ぬことが怖かった。
こんなにも怖いものだったのか。わたしは今まで何をしていたんだろう。
10年くらい前、がんサバイバーの人と話をする機会があった。
その人がやや強めの声で「再発したらステージ4なんですよ」と言い、わたしはその言葉の重みが分かっていなかった。いまようやく、それがどういうことを意味するのか、私なりにいろいろ調べてわかったように思う。
とても怖い。
たまにほかのことを考えて忘れることもあるのだけれど、ふと、もうすぐ死ぬのか、という思いが頭をよぎり、強い恐怖がやってくる。
だけれども、では生きたとして、何かやりたいことがあるかとか、目標とか、そういうのがあまり思い浮かばない。せいぜい「〇〇に行く」くらいのひねくりだしたやりたいこと、だ。
そういう状態なのに死ぬことが怖いとは、と思うのだけれど、、
今日は久しぶりにたくさん歩いて、滝を見にいってきた。「国宝」も見てきた。
たぶん、こういうのが必要なのだろう。

