うたよみん お題「うそつき」「息」「黄」

俳句・短歌


わかってて気づかないふり眼差しの熱なき視線見つめる怖さ (#うそつき)




今週、「うたよみん」というアプリをはじめた。今まで、ブログやTwitterの中で気が向いたときに短歌的なものを詠むことはあったのだけれど、少し前に短歌の本を借りてやはり歌はいいものだと思ったので試しに投稿をしてみようと。

今まで短歌というものは自分の中で一から創作をしていくものだと思っていたのだけれど、複数のサイトをのぞいてみると「お題」なるものがあった。「うたよみん」も数日毎にお題が更新されており、やってみると思いのほか面白い。

この「うそつき」をテーマに読んだ歌は、恋の終わりのはじまりの歌で、以前は熱く自分を見つめていた眼差しがもうそこには無いことから、相手の言葉の嘘に気が付いてしまい、でも気づかないふりをしてしてその場をやり過ごしてしまった、そんな状況を詠んでみた。




瞼開く 夜半の濃き影継ぐ息のさては生命(いのち)の感じる如く (#息)




次に取り組んだのは「息」をテーマにした歌。こちらは恋の最初の山場を過ぎ、少し落ち着いた関係の二人。夜、目が覚め、ふと横をみると相手の胸が上下し、見上げると暗闇の中にぼんやり見える顔の輪郭と呼吸の音。自分も相手も生きている、ということを実感し、その喜びやら安心感のようなものを詠んでみた。




房垂れる黄金(こがね)の絨毯 呼び覚ます遠き記憶の秋の夕暮れ (#黄)




そして今日投稿をしたのがこちら。「黄」というテーマから連想を拡げ、例えば「向日葵」「たんぽぽ」「太陽」「子ども」など考えてみたのだけれど、子どもの頃に見た穂が黄金色に群生する景色を思い出し詠んでみた。

小学校からの帰り道、稲穂だったか別の植物の穂だったか思い出せないけれど、眼前に広がった黄金色に輝く水平な穂の絨毯。日もこれから落ちていくというときに、とても美しく風に漂っていて目が離せない。これはまさしく「風の谷のナウシカ」に出てくる「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」ではないかと思い翌日友人に見てもらったが笑われ、少しだけ落ち込んだ遠い懐かしい記憶。
最初は最後の結びを「故郷(ふるさと)の秋」としていたけれど、三夕の歌を思い出し、「遠き」で故郷も表現できるだろうと思い至り、「秋の夕暮れ」に変更した。こちらは本歌取りの歌となるのだろうか。

三首作ったところで思い出した。
まだ小学校の低学年くらいだったんじゃないかと思うけれど、姉の「百人一首」の副読本を読ませてもらっていたんじゃないかという記憶。そして自分が学べる年になったとき、とても嬉しくて百首すべて暗記したこと。自分の部屋で、百人一首をなんども声に出して読んでいたこと。最後まで処分できなかった教科書は、多分百人一首の本だったんじゃないかということ。
そして京都に来て最初に住んだ場所が「紫野」という場所だったときは驚き、「あの紫野」ではないということは分かっていたけれど、額田王や大海人皇子の関係に想いを馳せたこと(歌会での催しだったらしいけれど)。

今でもふと歌の一節が頭をよぎることがある。現代短歌も詠んでみたいけれど、古語で詠む短歌も作ってみたい。

そして本投稿の折に「俳句・短歌」というカテゴリーが既にあることに気づき、微笑むなど。

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