早朝の空気。
音の少ない世界。
耳をすませば微かに聞こえる鳥の声。
朝と夕に現れる太陽と空の境い目。
青と赤がにじむ空。
空の時間を止めたいと願うけれど、
目に刻むしかない。
寂しさと、焦がれと。
自宅の近くにお気に入りの木がある。
根がしっかりと張った、大きな木。
出勤前、少しの時間、その木の根っこに座り、
自宅で入れてきたコーヒーを飲む。
季節が移るにつれて、
そこから見える木々の明るさや
色が変わっていく。
そして今、桜が咲いている。
桜並木の桜たちは、日々開花が進んでいき
昨日と今日では違った姿を見せる。
今日、満開の桜の下を歩いた。
昨日の雨で散った桜の花びらが道に落ち、
まだ残っている多くの花が、頭上に咲く。
目を覚ましたばかりの世界。
朝一番の桜の花に出会った。

