身体を返す

日々是好日(dairy)
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父が躓き転倒し、入院をした。
目や頬を骨折したらしく、パンダのような顔になってしまった。
検査の中で肺がんが見つかり、来週実家近くの緩和ケアの病院に移ることになった。
肝臓の数値がかなり悪いらしく、今はまだ痛みはないようなのだけれど。

「来週ではなく今週中に」

姉からの連絡を受け、休みをとってお見舞いに行った。
確かに顔が真っ黒で、片方の目は開かない状態だった。
1度だけ「失敗した」と笑っていて、その表情を今でも時折り思い出す。

お見舞い以外の時間は、ほぼ通常の日常なのだけれど、身体のことなど考えることが多くなった。
再び、というべきか。

意志のような力で今は身体を動かすこともできるけれど、いつか難しくなるし、今でもそもそも、身体に対してどれだけ意志や意識が影響を与えているのか、逆に影響を受けているのかかを考えると、よくわからなくなる。

自分の身体だとおもっているこの身体も、借り物で、実体もなく、何か生命と呼ばれる動きがあり、いつか消滅する。この動きは一方通行で、遡れない。

そんなことを考えると、日頃使っている道具や何かの消耗品が思い浮かび、一方通行の動きだけれども、丁寧に扱いたいと思うのだった。

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